音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました！！

耳にパールのついた上品なイヤリングが付いている。こんなイヤリング、私は持っていない。

「こんなの買った覚えない……」

もしかして私は記憶喪失になってしまったの？そんなことを考えていたその時、「おい泣くなよ〜」という声と、しゃくり上げる声が近くでした。

横を見ると、赤いシンプルな着物を着た男の子と、蝶々の柄の水色の着物を着た女の子がいた。私は「やった！日本人に会えた！」と心の中でガッツポーズ。小学生でも、外国で同じ国の人に出会えて嬉しいことはない。

女の子はずっと泣いていて、男の子は困っているようだ。私は勇気を持って話しかける。

「どうしたの？大丈夫？」

すると、泣いていた女の子は「お父様とお母様とはぐれてしまったんです」と言ってさらに泣き出してしまった。

「な、泣かないで〜。もう大丈夫だよ！お姉さんが、お父さんとお母さんを見つけてあげる！やっぱり不安だよね？同じ日本人としてよくわかるよ〜」

私は女の子が安心できるように、優しく笑いながら話す。すると、横で黙っていた男の子が「お姉さん」と言った。

「ニホンジン……って何？僕らはメロウ人と桜花人のハーフだけど……」

「へっ？」

メロウ……？桜花……？そんな国聞いたことない。

「ニホンジン……って、日本は国だよ！？中国とか韓国のお隣にある島国！！首都は東京で二人が着てる衣装は日本の民族衣装の着物でしょ！？」

私は慌てて話すが、二人は首を傾げるばかりだ。

「チュウゴク？トウキョウ？」

「着物は桜花国の民族衣装です」