音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました!!
おいしいお弁当を食べたり、草原を走り回ったり、歌ったり、楽しい時間は過ぎていく。

しかし、不意にリーさんがアレンくんの腕を掴んだ。

「アレン、顔色がよくないネ。ちょっと診るヨ」

普段マイペースなリーさんは、病人や怪我人を見つけるのは素早い。こういう時にお医者さんなんだと私は思う。

「本当だ。アレン、朝から具合悪かったのか?」

ロビンさんがアレンくんに訊ねる。アレンくんはゆっくりと頷いた。

「やっぱり熱があるネ。今日は安静にしていた方がいいヨ」

リーさんの言葉に、「そうした方がいいな」とレムさんも頷く。

「じゃあ、私がアレンくんを馬車まで連れて行きます!」

私は手をあげて言った。

「じゃあ頼む。私たちは荷物をまとめるから……」

ロビンさんがそう言い、私はアレンくんを支え、ゆっくりと馬車まで歩く。この世界に車はない。みんな馬車に乗って移動する。馬車なんて、この世界で初めて乗った。

「俺も一緒についてく〜!」

「私も行く〜!」

そう言って、バロンくん、ロンタイくん、クロエちゃん、結愛ちゃんがついてきてくれた。
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