音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました!!
「アレンくん、もうすぐお父さんたち来るからね!」

馬車にぐったりとしたアレンくんを乗せ、私はリーさんから渡されたブランケットをアレンくんの体にかける。

「早くよくなってね!」

クロエちゃんと結愛ちゃんがそう声をかける。

「ありがとう……」

アレンくんはニコリと笑い、私がこの光景に和んでいたその時、かちゃりという音とともに、頭に硬いものが触れる。

「そのままその馬車に乗れ。頭に当たってんのは、本物の銃だ」

低い男の人の声が後ろからする。私は勇気を振り絞り言った。

「病気の子が……いるんです。その子だけでも見逃してください」

私は懇願するが、「ダメだ。乗れ」と命令される。

「俺が馬車を運転する。ホズマー、お前はガキどもを見張っておけ」

銃を持ったもう一人の男が、私に銃を向けている男に言う。ホズマー……聞いたことのある名前だ。

そのまま私たちは馬車に乗せられ、馬車は通常よりも早く動き出す。

私たちは、恐怖に支配された。
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