音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました!!
私たちに命令するだけで、二人から何かを話しかけられることはない。二人が誰なのかはもう知ってる。リーバスさんが前に教えてくれた脱獄犯だ。

森の中を歩いている最中に日が暮れ、辺りはどんどん暗くなっていく。クロエちゃんが私の腕をぎゅっと掴む。その目には涙が溜まっていた。

「大丈夫。私がみんなを守るから」

私はクロエちゃんに小声でそう言った。しかし、私はリーバスさんやレムさん、ロビンさんのように格闘技ができるわけではない。不安と緊張で胸はいっぱいだった。

「止まれ」

先頭に立って歩いていたトバイアスが、私たちに命令する。トバイアスの次に歩いていたロンタイくんは慌てて止まった。

「ここに入れ」

トバイアスは、目の前にある小さな小屋を指差す。私たちは黙って従った。

静まり返った部屋の中には、アレンくんの苦しそうな呼吸だけが響いている。何とかしてあげたいが、アレンくんはロバートに捕まったままだ。
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