音楽好きの少女は、異世界で大人気の歌手になりました!!
以前、ジャック様がその装置を見せてくれた。そして、俺に使い方を説明し、「俺が逮捕されたらこれを使ってくれ」と言ってくれたのだ。

脱獄のために、俺とホズマーはこっそり部屋の中に穴を掘った。長い時間をかけて外まで通じる穴を掘ったのだ。

就寝の時間になると、あちこちで明かりが消えていく。それはまるで、命が消えていくようで美しい光景だ。

しばらくは俺たちは眠ったふりをする。そして、看守が俺たちの部屋の前を通った後、俺たちは行動に出た。

ダミー人形をベッドの中に入れ、囚人服から他の囚人にもらった私服に着替える。

「これから朝までは脱獄に気づかれないぜ」

着替え終えたホズマーが言った。俺も頷く。

ホズマーは格闘技には優れているが、頭脳に関しては期待できない。この脱獄計画は全て俺が一人で立てたものだ。

「じゃあ、先に行くぜ!」

ホズマーがそう言って穴に飛び込んでいく。俺もすぐ後を追おうとして、部屋をもう一度見つめた。
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