拾ったワンコが王子を連れて来た

ワンちゃんの食事が終わると、生田さんは彼(犬)にお水を出してあげた。

「あっごめん! 喉乾いてたよね? 散歩行ってたんだもんね? ごめんね?」

私は、彼(犬)を撫で、彼の寝床などのスペースをつくってあげた。

「そろそろ、俺達も飯食べようか?」

美味しそうな匂いがしてると思ったら、生田さんが食事の用意をしてくれていた。

え? これって…
「ビーフストロガノフ? 生田さんが作ったんですか?」

「まぁね? 味も結構イケてると思うけど、君の口に合うと良いんだけど?」

「有難うございます。 頂きます!」

「ワインも有るけど、どう?」

「いえ、明日仕事がありますので、遠慮します」

「一杯だけなら?」

私はお酒が嫌いなわけでは無い。
ただ、あまり強くない為、仕事が休みの前日以外は飲まない事にしてる。

「いえ、仕事が休みの前日以外は飲まない事に決めてますので、生田さんは気にしないで、飲んでください」

生田さんは真面目だな?と言って、自分のグラスにワインを注いだ。

「このビーフストロガノフ、凄く美味しいです!
生田さんって料理得意なんですね?
朝のフレンチトーストも美味しかったし?」

「親が忙しかったからね…自然に身についたって感じかな?」

「生田さんのご両親は何をされてたんですか?」
あ、聞いちゃマズかったかな?
もしかして、辛い想いされたかもしれないのに…

だが、私の心配をよそに、生田さんは「僕に興味出て来た?」とにっこり笑う。

はぁ? 別に興味なんて…

「別に答えて頂かなくて結構です。
私、他人に興味ないですから!」

「興味無いって寂しいじゃん?
折角一緒に住んでるんだから、お互い興味持とうよ?」

そんなの要らない。

「生田さん、ルール決めましょう!」

「え?」

私は、一緒に住むにあたっての、ルールを決める事にした。

「1つ、絶対、二階には上がって来ない!
2つ、食事は各自ですませる。
3つ、互いのプライベートにはけっして、口を挟まない!」

「えっ? 一緒に住んでるのに、食事は別なの?」

「家賃も光熱費類もいりませんが、3つのルールが守れないなら、今すぐ出て行ってください!」





< 29 / 143 >

この作品をシェア

pagetop