拾ったワンコが王子を連れて来た
カーテンから漏れる日差しに目を覚ますと、私が起きるのを待っていたかの様に、ベットの下でお行儀よくお座りをして、私を見つめるワンコロが居た。
え!?
「ワンコロ?」
私が名前を呼ぶと、ワンコロはベットに飛び乗り、私の顔を舐めまわす。
「ちょ、ちょっとワンコロ待って!ゔ…頭痛い」
昨夜、どうやって帰って来たんだろう…
全然、覚えてない…
それより、なんでワンコロが居るの?
生田さんと出て行ったんじゃ無いの?
えっ!?
嘘っ…
私は階段を駆け下り、急いで台所へと向かう。すると、いつもと変わらずコーヒーのいい香りがして、コーヒーを淹れていたのは、出て行った筈の生田さんだった。
「な、なんで居るの! 痛っ…」
昨夜飲み過ぎた様で、頭が痛い。
二日酔いなんて始めて。
こめかみを押さえ、痛みを堪えていると、生田さんからお説教が始まる。
「酒弱いのに、どんだけ飲んだんだ!?」
痛い…うるさい…頭に響く…
うっ…
気持ち悪い…
「伊之瀬さんが一緒だったにしても、外で女が酔い潰れるなんてあり得ないだろ!?」
なんで…
なんで私がお説教されてるの…?
「ちょ、ちょっと…煩い…」
「煩いってなんだ!?
俺が心配してるんだぞ!?
あんなに酔っ払って、どう帰ってくるつもりだったんだ!?
もし、変な奴らが居たら、どうするんだ!?
大人なら、自分の行動に責任持て!」
「もう…静かにして…お願い…」