拾ったワンコが王子を連れて来た
台所で、私のエプロンを掛け、朝食の支度をしてる生田さんを見て、律子さんは驚きを隠せない様で、何をしてるのかと声をあげた。
「何をって…君こそ、ここに何しに来た!?」
「昨夜の話、希美子さんは知らないって言ってたわ!どういう事?」
「どうもこうも、君には関係ない話だろ!?」
「関係無く無いわ!」
声を荒げる二人に、怒り爆発寸前の私。
希美子さんって誰?
なんの話、してるの?
ううん。今はそんな事どうでも良い。
私は今、二日酔いで災厄なの!
「お静かに願いますかっ!?
静かに出来ないなら、他所で話して!?
ここは、私の家なの!!」
ここは自分の家なのに、私は二人から避難すべく、二階の自分の部屋へと籠もった。
あー怒鳴ったら、余計頭痛くなったわ…
心配して私に付いて来たワンコロと、一緒にベットに横になっていると、暫くして部屋のドアがノックされた。
「ごめん…話が有るんだけど…下に下りて来てくれるか?」
生田さんの弱々しい声に、少し心配になった私は、分かったと返事をして。
「ワンコロ…」話し着いたのかな…?
私は彼(犬)に助けを求めるかの様に抱き付いた。
降りて行くと言った以上、何時迄も籠もっても居られず、ワンコロと一緒に階段を下りた。
「ぇ⁉︎ …話しってなんですか?」
台所へ行くと、ダイニングテーブルの私の椅子に座って、優雅にコーヒーを飲む律子さんが居た。
律子さんは帰った。と、勝って思っていた私は、まだ律子さんのいる事に驚きを隠せずにいた。
「真美、コーヒーとお茶どっちにする?」と、生田さんの問いかけに、私は冷たく要らないと返事した。