拾ったワンコが王子を連れて来た
コーヒーも、お茶も要らないと言ったのに、生田さんは、二日酔いである私を気遣ってか、梅干しの入ったお茶を出してくれた。
「で、話はなんですか?
体調が優れないので、手短かにお願いします!」
最初に口を開いたのは、律子さんだった。
「私と稀一郎さんは婚約してるの」
婚約…?
生田さんと律子さんが…婚約してる?
じゃなぜ、生田さんは私にプロポーズしたの?
律子さんは、生田さんの婚約者だと言った後も、私の気持ちなど考える由ももなく、生田さんと婚約に至った話を話し始めた。