拾ったワンコが王子を連れて来た

生田さんに嘘をつかれたと怒り、律子さんは更に婚約は解消しないと、意固地になってしまってる様だった。

「嘘をついたんじゃない!
俺は家業は継がない!!
旅館は姉貴に譲るし、君と結婚する気はない!」と、生田さんは言うが、律子さんは信じらどころか、聞く耳も持たない様だ。

「私、聞いたのよ?
念の為と思って、昨夜、希美子さんに連絡したら、希美子さんが継ぐ話は無いって言うじゃない?
今でも、稀一郎さんが後継者だと、希美子さんが教えてくれたわよ?
だから、私達の婚約解消なんてあり得ない。
絶対に、私は認めない!
それから、こんなに私を侮辱して傷つけたんですもの、それなりの代償は頂くわよ!稀一郎さん?」と言って、律子さんは微笑んだ。


「勿論、あなた達には今すぐ別れて貰います!
それを言いに、忙しい中こうして私の方から足を運んで来てあげたんですもの?
勿論、あなたにも償って貰うわ!」
彼女は傲慢にも、私に対しても償いの代償を求めた。

それって…
旅館を継がない彼は要らなかったけど、旅館を継ぐ彼なら要るって事?
そんなの酷い!
婚約ってなに!?
結婚ってなに!?





< 77 / 143 >

この作品をシェア

pagetop