乙女心と秋の空
「…。もっと強く拒否しろってこと?」

「かさねが迷惑だって言うならね」

「うんざりはしてる」

「なら、はっきりさせれば?」

「はっきりもなにも…
一度、振ってるんだけど」



ちゃんと恋愛対象ではないって
伝えてる

それでも幹也は傍にいる


「それでも幹也君が傍にいるってことは
かさね本気で嫌がってないってことでしょ?
嫌じゃないなら付き合えばいいのに」

「…だから、幹也の事は嫌いじゃないけど
恋愛対象ではないんだって」


押し問答を続けながら帰り道を歩く


ミオはどうしても私と幹也を付き合わせたいのか…


「幹也君、本当にかさねのこと大切に思ってるよ
高一の時のかさねの元彼
あの最低男にがつんと言ってやったのも幹也君だしね」

「…ちょっと待って。それ何の話?」


聞き捨てならない言葉に思わず食い付く


忘れもしない最悪の元彼


顔が良くて、性格もいい

そう思っていた

本性を知るまで


裏ではなかなかにひどかった

主に女関係



浮気されていると気付いたのは
付き合って数カ月後

街中で堂々とキスしてる所を目撃

それもひとりじゃなく複数の女の子と


そのまま女の子達を連れ、ホテルへ直行


あの男をよく知る人達に話を聞いてみれば

あちこちで女の子をとっかえひっかえ
顔の良さでお金を貢がせ
飽きればすぐに捨てる

自分の欲求を満たすためだけに周囲の人間を利用する


そんな最低な男だと知った

…もうどん引き



速攻別れた

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