乙女心と秋の空
「かさね、あの時かなり落ち込んでたでしょ?
それで何があったのか幹也君に聞かれて答えたら、あいつのとこに殴り込みにいった」

「…はぁ?!なぐりこみぃ?!」

「そう。答えた手前、私もくっついていったわけ。あの時の幹也君、別人みたいに怖かったよー」

「…」


思いがけない言葉と展開に
開いた口が塞がらない


「あ、大丈夫
最初に手を出してきたのは向こうだから
幹也君は正当防衛ですんだよ
…相手を挑発してそう仕向けたのは幹也君だけど」

「正当防衛ですんだって…
それ、かなり大事だったんじゃ…」

「まあ…それなりに?」


笑いながら言葉を濁すミオに私は唖然とする


……そういえば
幹也、顔に大きな絆創膏貼ってた時があったかもしれない

どうしたのか聞いたら転んでぶつけたとかなんとか言ってた気が…



「幹也君の一喝で
あいつ、今では随分おとなしくなったらしいよ」

「……そうなんだ…」


なんかもう、動揺しすぎてミオの言葉が耳からすり抜けていく
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