乙女心と秋の空
「かさねちゃーん、帰ろー」

部活終わり

ちょうど、帰り支度を済ませた時に
タイミングよく幹也が教室の入り口から顔を覗かせた


「先に帰ってていいのに」


背の高い忠犬が尻尾を振りながら
近づいてくる


「かさねちゃんの好きなからあげ屋さんの
新作発売日だよ。行こう」


相変わらず人の話を聞かない

はやくはやくと手を引っ張られる



「分かったから」


説得は諦め、手を引かれるまま


学校を後にした
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