限りある命と限りのない願い。
序章
 学校にいた時倒れた僕は救急車に運ばれて病院に行った。

 「大変、言いにくいのですが…」

 僕は気絶していて聞いていなかったが、目覚めてから両親に今の状態を説明されて医者からは余命宣告された。

 驚きで声が出なかったけれど、泣いている母親を見たら笑うしかないと思った。

 「僕は大丈夫だよ!」

 単なる強がりだけど、暗くなるよりはいいと思った。

 母親に頼んでノートを買ってきてもらった。

 父親からは頼んでもいなかった万年筆がプレゼントされた。

 「ありがとうお父さん、お母さん」

 僕は入院中ノートに思い出を綴った。

 自分が生きてきた人生で何があったを言葉にして並べる。

 「なんだ、案外僕ってつまらないだな」

 読み返しても平凡でしかないと気が付いた。

 次のページからは何を書こうか迷う。

 「あ、そうだ!」

 ノートを裏返して後ろの表紙を捲る。

 僕は自分にできそうなこと、やりたいこと、願いを綴っていった。
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