限りある命と限りのない願い。
 それから少しの間、僕と陽多は公園で話していた。

 「そう言えば、お前これからどうすんの?」

 「ん?ああ、帰ろうかなって考えてた。まさか陽多に会うとは思ってなかったし、会えたらいいなとは思ってたけど」

 「え、帰んの?ちょっと待って」

 陽多はズボンのポケットから携帯を出して電話をかける。

 「もしもし母さん?何か楓奏見つけたから拾って帰るわ」

 それだけ言って陽多は電話を切った。

 「え、いいの?許可は」

 「別にいいだろ、楓奏なら」

 陽多は僕の持っていた荷物を手に取って先に歩き始めた。

 「来ないのか?置いてくぞ」

 「あ、待って!」

 僕は陽多の後を追いかけた。
< 14 / 26 >

この作品をシェア

pagetop