今世こそは君を守るから、だから俺の傍にいて
Side.I



━━━━━━━━━━━━━━━

名前: 藤原 樹詩(ふじわら いつし)

年齢: 18歳

高校: 星ヶ丘高校 普通科

家族構成:父、母、本人、弟

家柄: 自営業

経歴: 柔道、空手、全国優勝
剣道、世界大会優勝

━━━━━━━━━━━━━━━


プロフィールが載っている書類の右上には、自分の写真がクリップで止められている。茶髪で顔は中の上くらいだろうか、その男がニッカリと笑っている写真。

それを眺めながら、ネクタイを締め上げた。




俺は、人生初めての見合いをする。






「樹詩、支度できた?」

「出来たよ」

そう答えて母親の方へと振り向けば、淡いクリーム色のワンピースに身を包んでいる。隣にはスーツを着た父親が立っている。


「ほんとにいいのか、樹詩」

「今更だよ。」

「行ってらっしゃい、兄ちゃん。」


にっこりと笑って、「行ってくる」と答える。自分の服を見る。そういう自分もスーツを着ていた。

家の前に止めてあった車に乗り込めば、ドアマンが車の扉を閉めた。


藤原樹詩、18歳。あそこに書かれていたプロフィールは本当。でも藤原樹詩を指すだけじゃあひとつ足りないことがある。

父も母も弟も知らないこと。

俺には、____前世の記憶がある。
< 3 / 25 >

この作品をシェア

pagetop