私を繋ぐ優しい手錠
「そこからは早かったよ。彩葉は学校にもそのことを自分が被害者として、それ以外にもあることないことを、全部広めた」
最初は否定した。だけど、初めから知っていた。
誰も、1人も、私を信じない。
可愛らしい、人気者の彩葉を信じる。
それは当たり前のことだった。
「誰も、私を見なくなった」
それは存在を否定すること。
そこまで親しい友人はいなかったから、まだ傷つかずにすんだ。だけど、親は、親からは、何も貰えない。いや、もう家族とは呼べないのかもしれない。
「多分もう家には帰れない。家族じゃないから」
再び、妹を裏切ってしまったから__________。
誰にも届かない、たった一人への独り言を終える。