何処かにいるかもしれない高校生の独り言


朝、6時半にセットされた目覚まし時計が五月蝿い機械音を立てて設定した主を起こす。



あともうちょっとだけ
あと少しだけ
と叫ぶ頭を必死に抑えてのそのそと起き上がると洗面所へ向かう。



蛇口を捻り一定に流れる水を両手で目一杯すくい上げるとバシャバシャと強引に目を覚ますように顔を洗った。




そしてまだ少し大きい制服に袖を通すとリビングへと向かった。




リビングでは台所でせっせと動いている母親と
コーヒーを片手に新聞を読んでいる父親がいる。



こちらの存在に気が着くと手を止めて2人ともおはようと声を掛けてくれる。


まだ眠さが抜けきっていない声で

「おはよ…」

と返すと朝食の席に着いた。


1口お茶を飲み時計にふと目を向けると電車の時間まであと15分しかない事に気付き思わず吹き出しそうになる。





「うぉっ…?!あと15分しかないじゃん!やっべ!」





急いで朝食のトーストを食べ歯磨きをすると鏡で身だしなみを軽くチェックする。



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