初カレ 初カノ
岡内楓(おかうちかえで)4月から中学生になります
「楓、出るよ」
母に声をかけられ車に乗る
「ねえ、今から行くママの会社の人って再婚同士なの?」
「そうよ、楓と同じ学年が二人と下に一人いるのよ、仲良くしてあげてね、知らない学区で最初は不安だと思うから」
「うん、わかった」
車を五分程走らせる
こちらは楓が来ようとしている池内家
「ねえ、優真」
「ん?」
「もうすぐね、お母さんの会社の人が妹に制服くれるんで来るんだって、でね、そこの子供はうちらと同じ四月から中学生なんだって」
池内泉(いけうちいずみ)は部屋の二段ベッドの上から机に座ってゲームをしている池内優真(いけうちゆうま)に声をかける
「女なんだろ?俺には関係ないんじゃないかな~」
ゲームをしながらの曖昧(あいまい)な返事が返ってくる
「私は友達がまだいないから楽しみ~」
「ふ~ん……」
ピンポーン
「あっ、来た、ちょっと行ってくるね」
泉は二段ベッドの階段を半分ジャンプして下りた
「うるさいよ、飛ぶなよ」
「ごめん!」
泉はドアを開け部屋から出ていった
やがて家の外でかすかな声が聞こえてくる
優真は部屋の窓から外を覗(のぞ)いた
小さい子だな……って泉がでかすぎるのか(笑)
泉は同じ年の妹になる
泉の母親と俺の父親が再婚することになり父親の実家を少しリフォームして引っ越して来た
最初は父親がその……子供ながらに母親以外の女の人と付き合っていたという事実は少々受け入れがたかったが俺の母親は子供があまり好きではなかったらしい(父親の話だけど)
俺を産んで仕事を始めると仕事中心になって父親とすれ違いで離婚になったと聞いている
まさかこの年で母親と妹二人が出来るとはおもわなかった
泉の賑(にぎ)やかな声がしなくなったと思った途端(とたん)部屋のドアがバタンと開いた
「泉!ノックしろっていつもいってるだ……ろ……」
「ごめーん、連れてきちゃった」
人より少し成長の早い泉は背も横にも俺よりでかい
泉の後ろからひょこっと顔を出した小さな女の子
「こんにちわ、お邪魔します」
優真は小さな女の子にドキッとした
(小さい……細い……泉がでかいのか?)
「二段ベッドの上が泉の居場所なの、上がってー」
泉はそういうとギシギシと音を立てながらベッドの上に上がっていく
続いて小さい女の子も上がっていくがスカートをはいていたため優真は視線をそらし自分の机に向かう
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