初カレ 初カノ
次の日の放課後、泉と別れた楓はそのまま橋で待っていた
優真が走ってやってくる
「ごめん、待った?」
「大丈夫」
楓は笑顔で答える
最初に会った時も笑ってたけどクラスで一週間みてきたけどこいつはいつもニコニコしてる
「ここ目立つからどっか人のあまり通らないとこない?」
「近くに神社があるよ、そこに行く?」
二人は神社まで歩いて行き階段を登り境内に座る
「へぇ、こんな近くに神社があったのか」
「うん、私も久しぶりに来た(笑)」
「バスケ部に入部届出してきた」
「あーうん、昨日のグループの会話に書いてあったね」
楓は下を向いた
「見学は行くのか?」
「えとね……バドミントンと卓球で迷ってる……結構友達がたくさん卓球に入部するみたいで……」
顔を上げないということはこの間俺が言ったことを気にしているのか?
「楓……」
「えっ、」
楓は顔をあげた
「あっ、悪い、いつも泉が楓がね……って話してるからつい呼んじまった」
「びっくりしただけ、いいよ(笑)私も最初優真くんて呼んでるしね」
今度は優真が恥ずかしくて下を向いた
「あー、えっとそうだ今日呼び出したのは昨日放課後バスケ部に見学に行った時に隣でバドミントンをしてて先輩達が楓のことを噂してて……」
「そう……うん、あのね先輩の中にママ同士が同級生の人がいるみたいで多分聞いてると思う」
また楓は下を向いた
「部活の話は嫌?下を向くからさ」
楓は顔をあげた
「ごめん、気づかなかった」
楓は顔を上げて優真を見る
優真は目があった途端恥ずかしくなり今度は優真が下をむいて楓から目をそらす
近くで見ると恥ずかしい……自分で言ったくせに
「まあ、でも部活の話をしようと思ってたから下を向いたままでもいいよ、聞いて」
「うん」
「うちの学校卓球部弱いって聞いたんだけどさ、今まで運動してない子っていうのは勝つ喜びとか負ける悔しさとかわからない子も多いと思うけど、まあ友達と一緒にっていうのもアリだと思う……でもお前は試合とか出てたんならその……この間お母さんが言ってたことも理解できるんじゃないのか?」
「わかるよ……低学年の時には負けたら泣いてたし4年と5年は県でベスト8くらいにはいたもん、でもみんな体が大きくなってきてもう6年の時には勝てなくなっていったの」
「確かに小さいし細いしわからないこともないけどさ、それなら卓球入っても体のせいにして勝てないんじゃないのか?」
「それは……」
楓は黙ってしまい二人は沈黙となる