初カレ 初カノ
学校も夏休みに入った
三年生も引退し二年生中心となり一年生もそろそろ打ち始める頃になり素振りとフットワークの毎日、苦手なマラソンも自分のペースでいいということでなんとか頑張った
マラソンだけは身体も細く肺も小さい為みんなには追い付けずいつも一番最後のゴールだった
それを先輩も同じ一年生も責める人は誰もいなくそれが楓にとって唯一の救いだった
小学校のマラソン大会もいつも最後から五番目くらいにいつもいた
それでもママは仕事を休み毎年見に来てくれた
肺炎にもすぐなりスイミングも習い始めた、スローペースながら小学校間になんとか一級をとれた
毎週スイミングに行くにもママが送ってくれた
卓球に入りたいと春休みに言ったときはすごくショックを受けていたし正直私の好きなことをやらせてと何回思ったかわからないがママの言うことも間違いではないと思いそれは理解することも出来た
優真くんの助言もありバド部に入って4ヶ月
いよいよ楓の実力を発揮するときが来た
「楓ちゃん、今日一人休みだから一緒に打ってくれるかな?」
「はい」
他の一年生はトレーニングに体育館から出ていた
「お願いします」
楓はコートに礼をして先輩と基礎打ちを始めた途端パンパンとシャトルの音が体育館に響く
隣のコートで練習をしていた男バスの練習が止まるくらいに……
「おい、すごい一年だな、小さくて可愛い、あんな子がいたのか」
「三年生引退でこれから打てるってか」
男バスの先輩達が噂している中、優真はチラチラと隣を見ながら
「先輩……練習」
「あー、悪い」
何だよ楓のやつ、あれだけ打てて……先輩より上手いじゃないか、迷ってたなんて信じられねぇ
先輩に可愛いとか言われてるし
優真は少しムスッとして練習していた
その次の日、楓は部活が久しぶりに休みの泉と遊ぶ約束をして楓の家で話していた
「泉は1日練習だからなかなか遊べないね」
「そうなの、お弁当持っていって大変」
「お母さんも大変だね(笑)」
「そう、五人分のお弁当入れてる」
泉はお菓子を口にほうり込む
「やばい、お菓子が美味しい(笑)」
「痩せたよね?」
「お菓子食べなくなったからね……間食ってやっぱりヤバイね」
「そっか、帰ったらもう晩御飯だもんね」
楓もお菓子をつまむ
「ねえ、楓、優真と同じクラスじゃん」
「モグモグ…うん」
「最近彼女できたとかクラスの中で話してる様子なかった?」
「うーん、私あんまり男子と話さないからなー、気づかないな」
「なんか、バド部って噂でさ、あゆみって子いる?」
「いるよ、あゆみなの?」
「名前は優真は言わないんだけど、そのあゆみって子と同じクラスの吹部の子が優真のこと色々聞いてくるからさ、それに優真も俺モテるんだぜなんて告られたみたいに自慢するから腹立ってさー」
「へぇ、私はあゆみと小学校が違うからまだあまり恋ばなとかするまでは仲良くないけど、帰りも違う門だからね」
「そっか、知ってるかなと思ったんだけど……でもね聞いて聞いて私好きな人できたんだー、男バスなの」
「それなら優真くんに情報もらえるじゃん」
「嫌よ話したくないもん、私みたいなブス相手にされねぇって絶対言うに決まってる、楓も内緒ね」
「うん、わかった」