一筆恋々
【十月九日 静寂より手鞠への手紙】
前略
手紙の返事が無い事が、これ程不安だとは思いませんでした。
今迄忙しさを理由に、滅多に返事を出さずに申し訳なかった。
また、先日の事ですが、やはり貴女を深く傷付けていたのですね。
涙目で走り去る貴女の姿が頭を離れません。
本当に本当に申し訳ありませんでした。
二度とあのような振る舞いはしませんので、どうか許して欲しい。
また「好みではない」というのは、「好きではない」という意味では有りません。
私にとって、貴女は貴女で有るだけで十分なのです。
このまま婚約まで解消されるのではないかと、毎日不安で
(廃棄)