プリンセスは甘い甘い夢を見る
「アイリスはもう寝てしまったわ」
「ええ‥今日はたくさんお話をしたから大丈夫よ」
左手にはアイリスがくれた花冠
「リアーナ‥体には気をつけてね」
叔母様の両手は私の右手を包み込む
叔父様は何も言わずに叔母様と私を包み込むように肩を抱いた
「では、行ってきます」
馬車に乗り込めば名残なんて無いように
あっという間に家は見えなくなる
どこかの女の子は魔法にかけられて1日だけのプリンセスになった
豪華な馬車に
綺麗なドレス‥
その時彼女は何を思った?
馬車で向かう先には
どんな事が待ち受けているかもわからない
彼女にかけられた魔法は0時の鐘の音で解けてしまう
だけどその0時の鐘の音で私は魔法にかけられる
だんだんと近づいてくる0時の鐘
私は馬車に揺られながらその鐘の音を聴いていた