プリンセスは甘い甘い夢を見る


眩しい朝陽が部屋を照らす
まだまだ寒いこの季節
隣に眠るアイリスを抱きしめ暖をとろうとする


「リアーナ!アイリスはもう起きてるよ」



抱きしめたはずのアイリスの可愛い声が反対側から聴こえてくる


その声はだんだんと近づいてくる


「アイリスね、リアーナが寂しくないように
リリちゃんを隣で寝かせてあげたの!
リアーナ寂しくなかった??」



腕の中にいる手作りの大きなクマの縫いぐるみ
アイリスの誕生日に私が作ってあげたものだ


「まぁ!リリちゃんって言うお名前をつけてもらったの??
素敵なお名前ね
リリちゃんのおかげで寂しくなかったわ
アイリス、リリちゃんありがとう!」


私がそう言うとアイリスの瞳はキラキラ輝いた


「あら、リアーナ!起きてたのね」


「叔母様、おはようございます」


慌てて起き上がろうとする私を叔母様が止める


「いいのよ、今日はアイリスと一緒に
お昼から街にお買い物に行ってくれないかしら?」


「ええ、任せて!」


誰よりも早く返事をしたアイリスに
私と叔母様は顔を見合わせて笑った


< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop