エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
「今の態度引っかかるよねー。いかにも興味ありませんって顔してるけど、そんなわけないじゃない。それとも、自分だけ白坂くんと堂々と話せるからって勘違いしてるんじゃない? 白坂くんだって仕事だから仕方なく桜井さんと話してるだけなのに」
「あ、それ白坂くんから聞いたんですか? だったら愚痴聞くくらいの仲ってことですよね。わざわざ私に頼む必要ないじゃないですか」
それなら解決じゃないですか、ととぼけて笑顔を作ると、渡辺さんはムッとした顔をして黙った。
代わりに横沢さんが割り込んでくる。
「っていうかさー、桜井さんって芝浦さんとも仲いいよね。なんで? どういう手使って取り入ってるの?」
嫌味な笑みで聞いてくる横沢さんに、渡辺さんが続く。
「それ、私も思ってた。ただ同期ってだけなのにね。もしかして、見合ってるとか勘違いしてる?」
「……してません」と否定するのが一拍遅れてしまったのも、目を逸らしてしまったのも、気づいてしまった恋心のせいだった。
見合うとかそんなんじゃなく、芝浦を好きなのは事実なだけに強く言い返せない。
そんな私の態度に、ふたりはここぞとばかりに責め立てる。