エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
「嬉しかったよ。酔った時の告白も、さっきの告白も。芝浦に好きって言われて、ドキドキして……嬉しかった」
ムクリと頭を持ち上げた芝浦を見て笑う。
「私、そんなに泣いてばっかりじゃないよ。少しは成長した」
知らず知らずのうちに芝浦には支えてもらっていたけれど、でも少しは強くなったはず……と思い言ったけれど、芝浦はふっと笑みを浮かべる。
「でも、今も泣きそうな顔してる」
目尻のあたりを指先で撫でながら言われる。
そのまま髪を撫でられ、気持ちの良さを感じながら口を尖らせた。
「これは……芝浦のせいでしょ。でも、これからも泣きたくなったら芝浦の前で泣くから」
泣くのを宣言するのもおかしな話だな、と思いながらも言うと、すぐに「うん。そうして」としっかり返ってきた。
芝浦からすると結構なこだわりポイントらしい。
「情けない告白になったけど。桜井が好きだ」
眉を寄せ、微笑まれる。
見ている私まで切なくて堪らなくなるような表情に、声に、泣きたくなった。
「私も、好き」
呼吸が震えた。
ゆっくりと近づいた芝浦に、目を閉じキスを受け入れる。
何度か触れるだけのキスを繰り返した芝浦が舌先で私の唇をなぞるから、引き結んでいた口を開けた。
テレビもなにもついていない部屋。
舌同士が触れ合う水音がリアルに響き、恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
「待っ……ん、ぅ……」
「茉奈……」
恥ずかしいから一度待って欲しい。
そうお願いしようとしたのに、途中、私を呼んだ芝浦の声があまりに甘く届いたせいでなにも言えなくなってしまう。
こんなの、耳から溶ける。体に悪い。