エリート同期は一途な独占欲を抑えきれない
「あ、ごめん。手伝ってもらっていい? 私ひとりじゃ支えきれなくて」
「……そうなの? 桜井が突き飛ばしたように見えたんだけど」
「そんなわけないでしょ。持ち上げるのを失敗して、支え損ねただけ」
平静を装ってはいたけれど、内心バクバクだった。
身体にはまだ芝浦の体温も感触も力強さも残ったままで、そういうの全部、剥がそうとするのに離れてくれない。
……全部、芝浦のせいだ。
『好きだ。桜井』
芝浦が耳元で言うのが悪い。
あんなに熱い体で、あんな切羽詰まった声であんなこと言うから……。
今まで溜まりに溜まっていた〝もしかして〟が胸の奥で主張する。
芝浦から伝染した熱がうずいて堪らなかった。