独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
第六章 叶えてあげたいソムニウム
月曜日、詩穂はエレベーターで三十五階に上がりながら、土曜日のことを思い返していた。蓮斗の方が先に地下鉄を降り、詩穂は二駅先にあるマンションまでひとりで帰った。蓮斗がいなくなった右側が寂しくて、ああ、ダメだな、と思ったのだ。
(恋、しちゃったのかなぁ……)
自分の想いに歯止めがかけられないことをもどかしく思いながら、詩穂はオフィスに入った。
「おはようございます」
詩穂の声に反応して、パーティションから啓一が顔を出した。
「おはよう、小牧さん」
そう言った彼の顔には、なぜかニヤニヤ笑いが浮かんでいた。
今日はオフィスカジュアルっぽく白のプルオーバーブラウスに紺色のテーパードパンツを合わせたのだが、そんなにニヤニヤされるということは、よっぽど似合っていないのだろうか。
詩穂が自分の服を見下ろしたとき、啓一が近づいてきて声を潜めて言う。
「金曜日、蓮斗に送ってもらったんだろ? あいつ、送り狼にならなかった?」
「えっ」
どうして啓一がそんなことを知っているのか。詩穂の驚いた顔を見て、啓一がくっくっと笑った。
「蓮斗のやつ、歓迎会のあと俺らのいるバーに来たから、てっきり一緒に飲むのかと思ったんだよ。そうしたら『小牧が心配だから送っていく』って言って、バーから出ていったんだ」
(恋、しちゃったのかなぁ……)
自分の想いに歯止めがかけられないことをもどかしく思いながら、詩穂はオフィスに入った。
「おはようございます」
詩穂の声に反応して、パーティションから啓一が顔を出した。
「おはよう、小牧さん」
そう言った彼の顔には、なぜかニヤニヤ笑いが浮かんでいた。
今日はオフィスカジュアルっぽく白のプルオーバーブラウスに紺色のテーパードパンツを合わせたのだが、そんなにニヤニヤされるということは、よっぽど似合っていないのだろうか。
詩穂が自分の服を見下ろしたとき、啓一が近づいてきて声を潜めて言う。
「金曜日、蓮斗に送ってもらったんだろ? あいつ、送り狼にならなかった?」
「えっ」
どうして啓一がそんなことを知っているのか。詩穂の驚いた顔を見て、啓一がくっくっと笑った。
「蓮斗のやつ、歓迎会のあと俺らのいるバーに来たから、てっきり一緒に飲むのかと思ったんだよ。そうしたら『小牧が心配だから送っていく』って言って、バーから出ていったんだ」