独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
 一音ずつ強調して言われ、詩穂はそれ以上反論するのはやめた。

「……わかった。確かにデザートまで餡入り小籠包で熱々だったもんね」
「わかればよろしい」

 蓮斗が満足げに頷き、詩穂は彼と一緒に歩き出した。ほどなくしてコンビニに到着し、アイスコーナーで食べたいものを選ぶ。アイスパフェを手に取った詩穂は、同じ物を選んだ蓮斗を見て首を傾げる。

「同じ冷たいものなら、プリンとかゼリーの方がよくない? 電車に乗ってる間に溶けちゃいそう」
「だったら、小牧んちで食べてもいい?」
「えっ」

 蓮斗に訊かれて詩穂の手からアイスパフェがぽろりと落ちた。

「おっと」

 蓮斗がそれを受け止め、ニヤッと笑う。

「そんなふうに動揺するってことは、小牧は俺のことを男として意識してるんだ?」

 からかうように言われて、詩穂は慌てて口を動かす。

 こっちが距離を置こうと必死で努力してるのに、勝手に詰めてこられてはたまらない!

「ま、まさか! 別に須藤くんのことなんて意識してないし、うちで食べてくれてもぜんぜん問題ないよ。でも、ほら、世間体とかそういうのがあるから、やっぱりやめておいた方がいいと思うの」
「はいはい、わかりました。家に帰ってひとりで食うよ」
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