独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
 蓮斗は前を向いたまま淡々と説明する。

「ハイブリッドアプリは、簡単に言うと、ウェブアプリとネイティブアプリを組み合わせたものだ。わかりやすい例はこれだな」

 蓮斗は自分のスマホを操作して、世界的に有名な電子商取引サイトによるショッピングアプリを開いて、詩穂に見せた。食品から日用品、衣類、電化製品、電子書籍まで、ありとあらゆるものを扱っている巨大オンラインショップで、詩穂もよく利用している。

「ネイティブアプリと比べてコストを抑えられるし、ウェブアプリよりも動作が速い。ほかにもメリットが多い」
「それじゃ、その三つからどの形態にするか決めればいいんだよね? 今回のはどれが一番いいんだろう?」

 詩穂が情けない顔になり、蓮斗が苦笑した。

「大丈夫。そこは俺たち開発担当者に任せてくれたらいいから」
「ありがとう。あの、もしよかったら、初心者でもわかるアプリ開発の本があれば、貸してもらえない? 初歩中の初歩のでいいんだけど」
「だったら、中学校と高校への出張授業で使ったテキストをやるよ。中学生向けのは基本的な内容だけど、高校生向けのはかなり本格的だ。あのテキストだけで、おもしろいアプリを作った高校生がいてびっくりしたよ」
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