独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
「だから、俺を避けてたのか?」
詩穂は視線をテーブルに彷徨わせた。レモンサワーを一気に飲んだせいか、顔が熱くなって頭がぼんやりしてくる。それで気が緩んだのか、それとも目の前の蓮斗が思ったよりも優しい表情をしていたからか、つい本音がこぼれた。
「うらやましかったのは本当だよ」
そのとき、おかわりのレモンサワーが運ばれてきた。そのグラスを両手でギュッと握って話を続ける。
「私、須藤くんのことはライバルだと思ってた。起業コンペでお互い優秀賞をもらって、ほぼ同時期に起業して……。まさに良きライバルだと思ってた」
けれど、起業計画に優秀賞をもらって、大学から補助金を受けて起業したものの、詩穂の会社は三ヵ月で赤字に転じ、七ヵ月後、タダ同然で大手企業に買い取られた。負債を背負わずに済んだのだから、買い取ってもらえただけましだった。
一方の蓮斗はアプリの開発会社を立ち上げた学生起業家として注目され、雑誌や新聞の取材を受けるくらいの大成功を収めた。企業規模は拡大を続けて、今では株式市場に上場している。
「須藤くんをライバルだと思うなんて、ずうずうしかったよね」
詩穂は視線をテーブルに彷徨わせた。レモンサワーを一気に飲んだせいか、顔が熱くなって頭がぼんやりしてくる。それで気が緩んだのか、それとも目の前の蓮斗が思ったよりも優しい表情をしていたからか、つい本音がこぼれた。
「うらやましかったのは本当だよ」
そのとき、おかわりのレモンサワーが運ばれてきた。そのグラスを両手でギュッと握って話を続ける。
「私、須藤くんのことはライバルだと思ってた。起業コンペでお互い優秀賞をもらって、ほぼ同時期に起業して……。まさに良きライバルだと思ってた」
けれど、起業計画に優秀賞をもらって、大学から補助金を受けて起業したものの、詩穂の会社は三ヵ月で赤字に転じ、七ヵ月後、タダ同然で大手企業に買い取られた。負債を背負わずに済んだのだから、買い取ってもらえただけましだった。
一方の蓮斗はアプリの開発会社を立ち上げた学生起業家として注目され、雑誌や新聞の取材を受けるくらいの大成功を収めた。企業規模は拡大を続けて、今では株式市場に上場している。
「須藤くんをライバルだと思うなんて、ずうずうしかったよね」