独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
腕まくりをして、レシピを参考に豚の生姜焼きを作った。生姜を買ってすり下ろしたのだから、なかなか本格的だ。それに粉ふきいもとキャベツの千切りを添えて、豆腐とワカメの味噌汁を作った。
出来上がってローテーブルに並べ、時計を見ると午後八時を回っていた。
「蓮斗、遅いなぁ……」
テレビを見ながら彼の訪問を待っていたが、気づけば九時になっていた。スマホを見たが、メッセージは届いていない。
「遅くなるなら連絡ぐらいしてくれてもいいのに……」
先に食べようかと思ったとき、スマホが鳴り出した。取り上げてみると蓮斗からの電話だ。
「もしもし」
ホッとしたものの、声に若干の不機嫌さが交じった。電話の向こうからは、蓮斗の疲れた声が返ってくる。
『悪い、詩穂。明日、西野(にしの)が企業でアプリのプレゼンをする予定だったんだけど、企業の要望を誤解しててさ。今、西野を手伝って、プレゼン資料を必死で作り直してるんだ』
西野というのは二十五歳の開発担当社員のことだ。
「えっ、それは大変……」
そんな事態になっていたとはつゆ知らず、自分の感情だけで不機嫌になってしまったことが恥ずかしい。
出来上がってローテーブルに並べ、時計を見ると午後八時を回っていた。
「蓮斗、遅いなぁ……」
テレビを見ながら彼の訪問を待っていたが、気づけば九時になっていた。スマホを見たが、メッセージは届いていない。
「遅くなるなら連絡ぐらいしてくれてもいいのに……」
先に食べようかと思ったとき、スマホが鳴り出した。取り上げてみると蓮斗からの電話だ。
「もしもし」
ホッとしたものの、声に若干の不機嫌さが交じった。電話の向こうからは、蓮斗の疲れた声が返ってくる。
『悪い、詩穂。明日、西野(にしの)が企業でアプリのプレゼンをする予定だったんだけど、企業の要望を誤解しててさ。今、西野を手伝って、プレゼン資料を必死で作り直してるんだ』
西野というのは二十五歳の開発担当社員のことだ。
「えっ、それは大変……」
そんな事態になっていたとはつゆ知らず、自分の感情だけで不機嫌になってしまったことが恥ずかしい。