独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
「悪いな、ありがとう」
蓮斗が歩いてきて、詩穂の前に立った。
「うん、あの、お仕事、がんばってください」
詩穂はトートバッグを差し出しながら、普通のビニール袋に入れてくるべきだったと後悔した。案の定、西野が「あれ」と怪訝そうな声を上げ、トートバッグを受け取った蓮斗と詩穂の顔を交互に見る。
「西野、悪いがすぐ戻る」
蓮斗は西野に断って、詩穂を外へと促した。
「ちょっとこっち」
蓮斗が廊下を歩き、会議室のドアを開けた。電気をつけて詩穂に向き直る。
「せっかく料理して待っててくれてたのに、本当にごめん」
「ううん。私のことはいいよ。それより大変だよね。間に合いそうなの?」
「なんとかなることはなる」
詩穂はホッと息を吐いた。
「よかった」
「でも、詩穂と一緒に過ごしたかった」
蓮斗が残念そうに言って、ため息をついた。その表情がひどく疲れて見える。けれど、きっと西野の前に戻れば、またなんでもないような顔で西野の仕事を手伝うのだろう。
詩穂の前だからこそ、蓮斗の素が出ているのかもしれない。
少しでも彼を元気づけてあげたい。その思いに押されて、詩穂は思い切って蓮斗の腕を掴み、背伸びをして彼の唇に軽くキスをした。
蓮斗が歩いてきて、詩穂の前に立った。
「うん、あの、お仕事、がんばってください」
詩穂はトートバッグを差し出しながら、普通のビニール袋に入れてくるべきだったと後悔した。案の定、西野が「あれ」と怪訝そうな声を上げ、トートバッグを受け取った蓮斗と詩穂の顔を交互に見る。
「西野、悪いがすぐ戻る」
蓮斗は西野に断って、詩穂を外へと促した。
「ちょっとこっち」
蓮斗が廊下を歩き、会議室のドアを開けた。電気をつけて詩穂に向き直る。
「せっかく料理して待っててくれてたのに、本当にごめん」
「ううん。私のことはいいよ。それより大変だよね。間に合いそうなの?」
「なんとかなることはなる」
詩穂はホッと息を吐いた。
「よかった」
「でも、詩穂と一緒に過ごしたかった」
蓮斗が残念そうに言って、ため息をついた。その表情がひどく疲れて見える。けれど、きっと西野の前に戻れば、またなんでもないような顔で西野の仕事を手伝うのだろう。
詩穂の前だからこそ、蓮斗の素が出ているのかもしれない。
少しでも彼を元気づけてあげたい。その思いに押されて、詩穂は思い切って蓮斗の腕を掴み、背伸びをして彼の唇に軽くキスをした。