独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
蓮斗が帰ってきた!
詩穂はパッと立ち上がり、廊下に出た。玄関のセンサーライトが点灯して、蓮斗の姿が浮かび上がる。
「おかえり、蓮斗」
「……ただいま」
蓮斗がコートを脱ぎ、襟元に指を入れてネクタイを緩めながら、廊下に上がった。いつものような覇気がなく、ひどく疲れているように見える。
「今日はグラタンを作ってたんだけど……こんな時間にグラタンは食べられないよね?」
「せっかく作ってくれてたのに……連絡せずに遅くなってごめん」
「ううん。会社でなにかあったの?」
「そういうわけじゃないんだ」
詩穂は彼に近づいて、お帰りのキスをした。ほんの少し赤ワインの香りがして、あれ、と思う。
飲んできたの? ひとりで?
思わずそう尋ねそうになって、ぐっと言葉を飲み込んだ。
普段の彼とは明らかに様子が違う。
会社で……詩穂にはどうしようもない、あるいは言ってもわからない難しい事態が起こったのかもしれない。その対策に奔走して疲れたから、バーで一杯飲んで帰ってきたのかもしれない。それなのに、詩穂が問い詰めるようなマネをしたら……蓮斗だって嫌だろう。
だけど、せめて愚痴くらいは聞いてあげたい。
「お疲れさま。もし寝る前に一杯飲みたいなら、付き合うよ?」
詩穂はパッと立ち上がり、廊下に出た。玄関のセンサーライトが点灯して、蓮斗の姿が浮かび上がる。
「おかえり、蓮斗」
「……ただいま」
蓮斗がコートを脱ぎ、襟元に指を入れてネクタイを緩めながら、廊下に上がった。いつものような覇気がなく、ひどく疲れているように見える。
「今日はグラタンを作ってたんだけど……こんな時間にグラタンは食べられないよね?」
「せっかく作ってくれてたのに……連絡せずに遅くなってごめん」
「ううん。会社でなにかあったの?」
「そういうわけじゃないんだ」
詩穂は彼に近づいて、お帰りのキスをした。ほんの少し赤ワインの香りがして、あれ、と思う。
飲んできたの? ひとりで?
思わずそう尋ねそうになって、ぐっと言葉を飲み込んだ。
普段の彼とは明らかに様子が違う。
会社で……詩穂にはどうしようもない、あるいは言ってもわからない難しい事態が起こったのかもしれない。その対策に奔走して疲れたから、バーで一杯飲んで帰ってきたのかもしれない。それなのに、詩穂が問い詰めるようなマネをしたら……蓮斗だって嫌だろう。
だけど、せめて愚痴くらいは聞いてあげたい。
「お疲れさま。もし寝る前に一杯飲みたいなら、付き合うよ?」