独占溺愛～クールな社長に求愛されています～

　蓮斗はコーヒーを飲んで答える。

「そうだなぁ……。家でのんびり過ごすのもいいし……」
「あ、じゃあ、私、午前中にちょっと買い物に行くね」
「わかった。昼飯はどうする？」
「食材を買ってくるから、家で食べようか？」

　蓮斗は顎に手を当てて、少し考える仕草をした。

「詩穂は買い物に行くんだろ？　久しぶりにゆっくりひとりで過ごす時間だし、誰かと一緒にランチでも食べてきたら？」

　蓮斗に言われて、詩穂は考え込む。

　今日いきなりランチに誘って応じてくれそうな友達は思いつかない。けれど、蓮斗へのプレゼントを絞り切れていない今、じっくり選べる時間がある方が好都合だ。

「じゃあ……そうさせてもらおうかな」
「俺のことは気にしないで、楽しんでおいで」
「わかった」
「何時ぐらいに出る？」
「十時半くらいが目標」

　蓮斗は「そうか」とつぶやき、フレンチトーストを口に運んだ。



　朝食を食べたあと、詩穂は着替えてメイクをしてバッグを持った。

「いってらっしゃい」
「いってきます」