独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
なにも訊かなければ、このまま彼との関係を続けられるのだろうか。でも、きっと胸の中がモヤモヤして、彼の前で自然に笑えない気がする。
そんなことを考えて鬱々としながら、詩穂は帰路についた。マンションの最寄り駅で降りたものの、足取りは重い。エントランスに入った瞬間、最悪な想像が頭の中をよぎった。
(もし、部屋に蓮斗とあの女性が一緒にいたら……)
詩穂はオートロックパネルの前で足を止めた。
終わりだ。
そう思った瞬間、目から涙がこぼれた。とても部屋に入る勇気はない。かといって行く当てもない。
詩穂がうつむいたとき、背後に人の気配がした。
「入らないんですか?」
女性の声だ。
「あ、入ります」
詩穂は涙を見られないようにうつむいたまま、バッグから鍵を出してオートロックを解除した。自動ドアが開き、詩穂に続いて背後の女性も中に入る。エレベーターに乗って体の向きを変えたとき、キャメル色のハイヒールを履いた女性の足が見えた。肌は透けるように白い。
そんなことを考えて鬱々としながら、詩穂は帰路についた。マンションの最寄り駅で降りたものの、足取りは重い。エントランスに入った瞬間、最悪な想像が頭の中をよぎった。
(もし、部屋に蓮斗とあの女性が一緒にいたら……)
詩穂はオートロックパネルの前で足を止めた。
終わりだ。
そう思った瞬間、目から涙がこぼれた。とても部屋に入る勇気はない。かといって行く当てもない。
詩穂がうつむいたとき、背後に人の気配がした。
「入らないんですか?」
女性の声だ。
「あ、入ります」
詩穂は涙を見られないようにうつむいたまま、バッグから鍵を出してオートロックを解除した。自動ドアが開き、詩穂に続いて背後の女性も中に入る。エレベーターに乗って体の向きを変えたとき、キャメル色のハイヒールを履いた女性の足が見えた。肌は透けるように白い。