独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
 詩穂の声がとろりとしているのに気づいたのか、亜矢美の笑い声が聞こえてきた。

『長電話したら、須藤くんに悪いよね。また連絡して。今度こそ本当に飲みに行こう。約束だからね!』

 直後、通話が切れた。蓮斗は詩穂の手からスマホを取ってカウンターに置き、彼女を抱き上げる。

「俺をヤキモキさせた分、今夜は寝かせないから覚悟しろよ」
「えっ、でも、晩ご飯くらい食べようよ」
「俺は詩穂を食べるからいい」
「私はお腹空いたんだってば! それにヤキモキしたのは私も一緒でっ」

 ベッドルームに運ばれ、ベッドに寝かされて、詩穂の抵抗を封じるようにキスが繰り返される。

「どんな雑音にも惑わされないくらい、もういいかげん、俺に溺れてくれ」

 もどかしげな蓮斗の声が降ってきた。彼の言葉に、温もりに、彼のまっすぐな心を感じる。

 もしかしたら、これからもまた蓮斗に想いを寄せる女性が現れるかもしれない。けれど、今度は絶対に惑わされないだろう。

 そう確信しながら、詩穂は彼の首に両腕を絡めた。 
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