独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
詩穂は目を見開いた。蓮斗は小さく肩をすくめる。
「信じられなかったよ。そのゲームをリリースした会社のホームページを見たら、その元インターンが取締役副社長になっていた」
「ひどい! そんなのって訴えたりできないの? ほら、なんとか権侵害とか」
蓮斗は諦め顔で首を左右に振った。
「いろいろ調べたんだけど……極秘情報への不正アクセスとか、具体的な証拠を挙げられなかったんだ。こっちが買収対策に忙殺されている間にリリースされたから、買収も策略の一環だったのかなとか疑心暗鬼になったよ。そもそもインターンとして働き始めたときから裏切るつもりだったのか、とか考えたら、三ヵ月前のこととはいえ、正直まだつらい」
蓮斗が視線を落とした。その顔があまりに痛々しくて、詩穂は思わず右手を伸ばして、彼の頭を撫でた。
「信じて心を預けていた人に裏切られるって……本当につらいよね」
詩穂の目が勝手に潤んできた。相手が恋人であろうと部下であろうと、信じていた相手に裏切られるのはつらすぎる。
蓮斗の痛みを我が事のように感じて、詩穂は彼の頭を撫で続ける。
「つらかったんだね。泣いていいんだよ」
「泣いてるのはおまえだろ」
「え?」
蓮斗に指摘され、驚いて瞬きをした拍子に、目にたまっていた涙が頬を伝った。
「信じられなかったよ。そのゲームをリリースした会社のホームページを見たら、その元インターンが取締役副社長になっていた」
「ひどい! そんなのって訴えたりできないの? ほら、なんとか権侵害とか」
蓮斗は諦め顔で首を左右に振った。
「いろいろ調べたんだけど……極秘情報への不正アクセスとか、具体的な証拠を挙げられなかったんだ。こっちが買収対策に忙殺されている間にリリースされたから、買収も策略の一環だったのかなとか疑心暗鬼になったよ。そもそもインターンとして働き始めたときから裏切るつもりだったのか、とか考えたら、三ヵ月前のこととはいえ、正直まだつらい」
蓮斗が視線を落とした。その顔があまりに痛々しくて、詩穂は思わず右手を伸ばして、彼の頭を撫でた。
「信じて心を預けていた人に裏切られるって……本当につらいよね」
詩穂の目が勝手に潤んできた。相手が恋人であろうと部下であろうと、信じていた相手に裏切られるのはつらすぎる。
蓮斗の痛みを我が事のように感じて、詩穂は彼の頭を撫で続ける。
「つらかったんだね。泣いていいんだよ」
「泣いてるのはおまえだろ」
「え?」
蓮斗に指摘され、驚いて瞬きをした拍子に、目にたまっていた涙が頬を伝った。