独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
 詩穂はバケットにケッカソースをのせて皿に並べた。それをほかの料理とともにカウンターに置く。

 蓮斗が焼き上がったチキンを皿にのせて、準備は完了だ。

 時計を見たら七時近かった。

 蓮斗がスパークリングワインのコルクを抜いて、ポンという小気味いい音が響く。それをシャンパングラスに注ぐと、金色の泡がふつふつと立ち上った。

「メリークリスマス!」

 カウンターのスツールに並んで座って、グラスを合わせた。一口飲むと、ほんのりと甘いスパークリングワインが口の中で弾ける。

 ブルスケッタはカリッと焼けた部分と、ソースの染み込んだ部分のバランスがよく、噛むと口の中にソースがジュワッと広がった。

「うまいな」
「蓮斗のチキンもおいしそうだよ」

 詩穂はフォークとナイフを使って、一口サイズに切ったものを口に運んだ。皮がパリッとしていて、ハーブの利いたスパイスが美味だ。

「焼き加減もちょうどいいし、スパイスが利いてておいしい!」
「ま、俺が焼いたからな」
「うん、ありがとう」
< 214 / 217 >

この作品をシェア

pagetop