独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
 詩穂の言葉を聞いて、蓮斗が目を見開いた。

「詩穂が素直だと拍子抜けする」
「どういう意味よ?」
「蓮斗は焼いただけでしょ、とか言われるかと思ったよ」
「私、そんなに性格悪くないし」

 相変わらずロマンチックさに欠ける会話をしながら、料理を食べた。お待ちかねのデザートタイムになり、詩穂はワクワクしながら蓮斗を見る。

「どんなケーキを作ってくれたの?」
「まあ、見てのお楽しみだな」

 蓮斗がスツールから立ち上がって、冷蔵庫を開けた。そうして背中でケーキを隠したまま戻ってきたが、詩穂の前でくるりと向きを変える。

「メリークリスマス」

 蓮斗がカウンターに置いたケーキを見て、詩穂は息をのんだ。ハート型の生クリームケーキの上に、色とりどりのエディブルフラワーが散らされているのだ。赤、オレンジ、黄、ピンク、紫……華やかで鮮やかで、まさかこんなにおしゃれなケーキが出てくるとは思っても見なかった。

「すごい……キレイ」

 詩穂はホーッと息を吐いた。

「エディブルフラワーはまだあるんだ。詩穂も飾りつけしてみる?」

 蓮斗は花が入った透明のカップを詩穂に差し出した。
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