独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
詩穂がとりなすように言い、蓮斗は赤い顔で横を向いたままチラッと視線を投げた。照れたような困ったような、複雑な表情だ。彼はお姉さんが子どもにしているのをマネしたと言っていた。つまり、親が子どもに対してしたようなものなのだ。それを自分が変に意識したから、蓮斗も困ってしまったのかもしれない。
そう考えて、詩穂は努めて明るい声を出す。
「あー、もう、ホント子ども扱いはやめてよね~。ところで、須藤くんってお姉さんがいたんだね。知らなかったな。お子さん、男の子? 女の子? 今おいくつなの?」
蓮斗は小さく咳払いをして答える。
「男の子。二歳だ」
「へー。じゃあ、かわいい盛りだよね?」
何気ない会話が続き、蓮斗がホッとしたように表情を緩める。
「いや、今は小憎たらしいって感じかな」
「小憎たらしい?」
「ああ。“魔のイヤイヤ期”ってやつらしい。なんでもかんでも『イヤ!』って言うし、理由もわからずすぐだだこねるし。この前、実家に戻ったときに会ったけど、笑えるくらいすべてに『イヤ!』って言うんだ。姉貴の方は『笑いごとじゃないよ! 本当に大変なんだから』ってこぼしてた」
ようやくふたりの間の妙な空気が落ち着き、蓮斗が改まった様子で口を開く。
そう考えて、詩穂は努めて明るい声を出す。
「あー、もう、ホント子ども扱いはやめてよね~。ところで、須藤くんってお姉さんがいたんだね。知らなかったな。お子さん、男の子? 女の子? 今おいくつなの?」
蓮斗は小さく咳払いをして答える。
「男の子。二歳だ」
「へー。じゃあ、かわいい盛りだよね?」
何気ない会話が続き、蓮斗がホッとしたように表情を緩める。
「いや、今は小憎たらしいって感じかな」
「小憎たらしい?」
「ああ。“魔のイヤイヤ期”ってやつらしい。なんでもかんでも『イヤ!』って言うし、理由もわからずすぐだだこねるし。この前、実家に戻ったときに会ったけど、笑えるくらいすべてに『イヤ!』って言うんだ。姉貴の方は『笑いごとじゃないよ! 本当に大変なんだから』ってこぼしてた」
ようやくふたりの間の妙な空気が落ち着き、蓮斗が改まった様子で口を開く。