独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
第三章 近くて遠い、社長と部下の距離
翌週の水曜日、詩穂は大阪市きってのビジネス街・北浜(きたはま)にある高層オフィスビルへと足を踏み入れた。入り口はガラス張りで、一階のフロアは天井が高く、白い壁がまぶしい。高級ビジネスホテルのような雰囲気で、詩穂を追い抜いていく人たちも、みんなスーツやオフィスファッションをおしゃれに着こなし、颯爽と歩いていく。
そんなところに地味なチャコールグレーのスーツで来てしまい、詩穂は居心地悪く感じながら、エレベーターに乗った。蓮斗が大学時代に起業した会社は今、このビルの三十五階に移転している。
本当に好調なようだ。
純粋に感心しながら三十五階で降りた。内廊下もホテルのようで、ライトブラウンのカーペットが敷かれ、統一感のある柱のブラウンが優しい印象を与えている。すぐ前のガラス張りの自動ドアには、整った白い文字で“株式会社ソムニウム”と書かれていた。
ドキドキしながらタッチスイッチに手を伸ばしたとき、右側からやたらとテンションの高い女性の声が飛んできた。
「わーい、女の子だ~、若い女の子だ~!」
そんなところに地味なチャコールグレーのスーツで来てしまい、詩穂は居心地悪く感じながら、エレベーターに乗った。蓮斗が大学時代に起業した会社は今、このビルの三十五階に移転している。
本当に好調なようだ。
純粋に感心しながら三十五階で降りた。内廊下もホテルのようで、ライトブラウンのカーペットが敷かれ、統一感のある柱のブラウンが優しい印象を与えている。すぐ前のガラス張りの自動ドアには、整った白い文字で“株式会社ソムニウム”と書かれていた。
ドキドキしながらタッチスイッチに手を伸ばしたとき、右側からやたらとテンションの高い女性の声が飛んできた。
「わーい、女の子だ~、若い女の子だ~!」