独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
見ると、ライトピンクのブラウスにオフホワイトのパンツを着た小柄な女性が駆け寄ってきた。トイレから出たところなのか、手に持っていたミニタオルをバッグに入れて、詩穂の前で足を止める。ファッションこそキリッとしたパンツスタイルだが、肩まである明るい茶髪とくりっとした大きな目が、かわいらしい印象だ。
「ええと、あの」
彼女はソムニウムの社員なのだろうか、それともお客さまなのだろうか。詩穂が困惑していると、女性が笑顔で口を開く。
「私、総務担当の石垣(いしがき)真梨子(まりこ)です。今日から来てくれる小牧詩穂さんだよね? ソムニウムへようこそ! どうぞよろしくねっ!」
「よ、よろしくお願いします」
真梨子と名乗った女性の勢いに半ば気圧されしながら、詩穂はお辞儀をした。
真梨子は両手で詩穂の右手を握って、ぶんぶんと上下に振った。そのとき彼女の左手の薬指に、シンプルなプラチナのリングがはめられているのが目に入る。
「あ、これね」
詩穂の視線に気づいて、「うふふ」と笑いながら、真梨子は右手で指輪をそっと撫でる。
「半年前に結婚して、そのときにソムニウムに転職したの。前の会社、残業がすごく多かったから。ソムニウムだとほとんど残業しなくていいし、妊活中で早く子どもが欲しいから助かってる」
「ええと、あの」
彼女はソムニウムの社員なのだろうか、それともお客さまなのだろうか。詩穂が困惑していると、女性が笑顔で口を開く。
「私、総務担当の石垣(いしがき)真梨子(まりこ)です。今日から来てくれる小牧詩穂さんだよね? ソムニウムへようこそ! どうぞよろしくねっ!」
「よ、よろしくお願いします」
真梨子と名乗った女性の勢いに半ば気圧されしながら、詩穂はお辞儀をした。
真梨子は両手で詩穂の右手を握って、ぶんぶんと上下に振った。そのとき彼女の左手の薬指に、シンプルなプラチナのリングがはめられているのが目に入る。
「あ、これね」
詩穂の視線に気づいて、「うふふ」と笑いながら、真梨子は右手で指輪をそっと撫でる。
「半年前に結婚して、そのときにソムニウムに転職したの。前の会社、残業がすごく多かったから。ソムニウムだとほとんど残業しなくていいし、妊活中で早く子どもが欲しいから助かってる」