独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
蓮斗が努力家だというのはいまいち納得できないが、真梨子の話を聞く限り、大学時代と同じように夢を追いかけてがんばっているようだ。
電気ケトルがピーッと鳴って、お湯が沸いたことを知らせた。
「詩穂ちゃん、どの紅茶がいい?」
真梨子が棚に並んだティーバッグの箱を示した。女性の真梨子が選んでくれただけあって、アッサム、アールグレイ、ダージリンなどのオーソドックスな茶葉から、ハーブティー、オレンジやピーチなどのフレーバーティーも用意されている。
「あー、じゃあ、アールグレイにします」
真梨子がアールグレイの箱を取ったとき、パーティションを軽く叩く音が聞こえた。振り返ると、細身の黒いスーツを着た蓮斗の姿がある。
「おはよう」
「あ、おはようございます。社長はコーヒーですか? 淹れますよ?」
真梨子に訊かれて、蓮斗がにっこり微笑んだ。意外なほど紳士的な笑みだ。
「ありがとう。でも、自分で淹れるからいいよ」
「おはよう。ございます、しゃ、社長」
あやうく“おはよう”だけで済ませそうになり、慌てて付け足したせいかぎこちない挨拶になった。蓮斗がふっと笑みを浮かべる。
電気ケトルがピーッと鳴って、お湯が沸いたことを知らせた。
「詩穂ちゃん、どの紅茶がいい?」
真梨子が棚に並んだティーバッグの箱を示した。女性の真梨子が選んでくれただけあって、アッサム、アールグレイ、ダージリンなどのオーソドックスな茶葉から、ハーブティー、オレンジやピーチなどのフレーバーティーも用意されている。
「あー、じゃあ、アールグレイにします」
真梨子がアールグレイの箱を取ったとき、パーティションを軽く叩く音が聞こえた。振り返ると、細身の黒いスーツを着た蓮斗の姿がある。
「おはよう」
「あ、おはようございます。社長はコーヒーですか? 淹れますよ?」
真梨子に訊かれて、蓮斗がにっこり微笑んだ。意外なほど紳士的な笑みだ。
「ありがとう。でも、自分で淹れるからいいよ」
「おはよう。ございます、しゃ、社長」
あやうく“おはよう”だけで済ませそうになり、慌てて付け足したせいかぎこちない挨拶になった。蓮斗がふっと笑みを浮かべる。