独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
詩穂がデスクを片づけているうちに、会議室から蓮斗たちが戻ってきた。
「今日の主役の仕事が終わったみたいだし、そろそろ行きますか」
蓮斗が言いながら左手の腕時計を見た。
「予約は六時半ですよ~。あと十分しかないです。私、先に行ってますね」
真梨子がバッグを持ってさっと立ち上がった。「詩穂ちゃんも行こう」と誘われ、詩穂は真梨子と先に行くことにした。
ふたりで並んでオフィスを出て、エレベーターに乗る。三十五階より上に行くのは初めてで、詩穂はドキドキしてきた。隣では真梨子もワクワクした表情で、階数表示を眺めている。
「私がソムニウムで働くことにしたのはね、若くて活力のある会社で、福利厚生が充実してるっていうのもあったんだけど……このビルにあるっていう理由も大きかったの」
真梨子に言われて、詩穂は首を傾げた。
「このビルってなにか特別なんですか?」
「私にとって、ってことなんだけど。実は五十階にあるバーで主人にプロポーズされたの!」
語尾にハートマークでもつきそうな調子で、真梨子が言った。
「それなら特別ですね」
「えへへ~」
真梨子は本当に嬉しそうである。
「今日の主役の仕事が終わったみたいだし、そろそろ行きますか」
蓮斗が言いながら左手の腕時計を見た。
「予約は六時半ですよ~。あと十分しかないです。私、先に行ってますね」
真梨子がバッグを持ってさっと立ち上がった。「詩穂ちゃんも行こう」と誘われ、詩穂は真梨子と先に行くことにした。
ふたりで並んでオフィスを出て、エレベーターに乗る。三十五階より上に行くのは初めてで、詩穂はドキドキしてきた。隣では真梨子もワクワクした表情で、階数表示を眺めている。
「私がソムニウムで働くことにしたのはね、若くて活力のある会社で、福利厚生が充実してるっていうのもあったんだけど……このビルにあるっていう理由も大きかったの」
真梨子に言われて、詩穂は首を傾げた。
「このビルってなにか特別なんですか?」
「私にとって、ってことなんだけど。実は五十階にあるバーで主人にプロポーズされたの!」
語尾にハートマークでもつきそうな調子で、真梨子が言った。
「それなら特別ですね」
「えへへ~」
真梨子は本当に嬉しそうである。