独占溺愛~クールな社長に求愛されています~
「映画は三時からだから、どこかでお茶でもする?」
詩穂はエレベーターの下ボタンを押した。
「須藤くんにお任せします」
蓮斗が隣に並んで不満そうな声を出す。
「あのなぁ。俺が訊いたんだから、リクエストくらいしろよ」
そのときエレベーターの扉が開き、詩穂は乗り込みながら答える。
「んー、じゃあ、パンケーキのお店に行ってもいい?」
「パンケーキ?」
「そう。映画館の近くにあるんだ。半年くらい前にオープンしたお店なんだけど、ずっと気になってて」
本当は弘哉と一緒に行きたいと思っていたのだが、その願いが叶わないうちに別れてしまった。
詩穂の表情が曇ったのを目ざとく見つけて、蓮斗が問う。
「まさか元カレとの思い出の店だったりしないよな?」
「しないしない。一緒に行きたかったけど行けなかったの」
「なんだかムカツクな」
蓮斗を見ると、不機嫌そうな顔をしている。
「まあ、いい。俺がいい思い出として上書きしてやる」
「上書きもなにも、弘哉さんとは行ってないってば」
「行きたかったって思い出があるだろ」
「なにをムキになってるの?」
「なってない」
そう言いながらも、蓮斗はおもしろくなさそうな表情だ。
詩穂はエレベーターの下ボタンを押した。
「須藤くんにお任せします」
蓮斗が隣に並んで不満そうな声を出す。
「あのなぁ。俺が訊いたんだから、リクエストくらいしろよ」
そのときエレベーターの扉が開き、詩穂は乗り込みながら答える。
「んー、じゃあ、パンケーキのお店に行ってもいい?」
「パンケーキ?」
「そう。映画館の近くにあるんだ。半年くらい前にオープンしたお店なんだけど、ずっと気になってて」
本当は弘哉と一緒に行きたいと思っていたのだが、その願いが叶わないうちに別れてしまった。
詩穂の表情が曇ったのを目ざとく見つけて、蓮斗が問う。
「まさか元カレとの思い出の店だったりしないよな?」
「しないしない。一緒に行きたかったけど行けなかったの」
「なんだかムカツクな」
蓮斗を見ると、不機嫌そうな顔をしている。
「まあ、いい。俺がいい思い出として上書きしてやる」
「上書きもなにも、弘哉さんとは行ってないってば」
「行きたかったって思い出があるだろ」
「なにをムキになってるの?」
「なってない」
そう言いながらも、蓮斗はおもしろくなさそうな表情だ。