揺蕩う空へ魔法の句を
その日から数日が経ち、私たちはついに退院して今日から学校へ!
私は久しぶりの学校に緊張しながら家を出る。すると、偶然にも義昭と遭遇した。義昭は私と目が合うと、顔を赤くして目を逸らす。
「おはよう。義昭!その制服、私と同じ高校のだよね?」
私は明るい笑顔を向けながら義昭に近づいた。義昭は「そうだが…何か?」と冷めた目を向けた。
「やっぱり…同じ高校だったなんて…。そう言えば、義昭って明治時代から昭和時代の句は詠んでいたんだよね?」
私は義昭の隣を歩きながら義昭に問いかける。義昭は「あぁ」と答えた。
「私、明治時代から昭和時代ら辺が苦手なんだ…得意なら教えてくれない?」
「は?お前に誰が授業するかよ……ったく。しゃーねぇな。放課後、第二多目的教室へ来い」
「やったー!」
私は義昭に満面の笑みを浮かべる。義昭は「勘違いすんな。お前のために教えるんじゃない」と言って冷めた目を私に向けた後、義昭は吹き出した。
「何、笑ってんのよ!!」
「だって、お前…絶望に満ちた顔で俺を見たろ」
笑いながら義昭は言う。私は顔を赤くさせて「義昭のバカ…」と顔を義昭から逸らした。