揺蕩う空へ魔法の句を
株価落ち 世界恐慌 大混乱
翌日、今日も義昭の授業を受けるために第二多目的室へ!
「今日は昭和時代な。1929年10月にアメリカのニューヨーク株式市場の株価大暴落をきっかけに始まった世界的な不景気を世界恐慌という。恐慌に対してアメリカはニューディール政策を、イギリス・フランスはブロック経済を始めた」
「中国東北部での戦争を満州事変といい、日本は柳条湖で満鉄爆破事件を起こしたんだ。それを中国軍のしわざだとして軍事行動を始めた。1939年、ついに第二次世界大戦が始まった」
「その辺は知ってる…その中、太平洋戦争が起こったり、沖縄戦や原爆が落とされたんだっけ?」
私が答えると、義昭は無言でどこか辛そうな表情で私を見た。
「そうだ。沖縄戦では、1945年3月にアメリカ軍が上陸。その戦争だけで約12万人の沖縄県民が犠牲になったと言われている。1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原爆が落とされた…日本はそれをきっかけにポツダム宣言を受諾し、1945年の8月15日に終戦したんだ」
義昭は珍しく表情を崩して言う。私はそんな義昭をそっと抱き締めた。
「辛いのは私も同じ…また同じ過ちを繰り返さないように過去を知って、平和な未来に繋げることが私たちの役目だから…」
「そうだな……この時代、俺が詠んだ歌は株価落ち 世界恐慌 大混乱」