Starry Night Magic
とそこへ、ビューンと場違いな轟音を響かせて飛行機がやって来た。
その音で君も俺も我に帰る。
飛行機がうまく地面に着陸して、誘導灯に沿って進んでいく。
よく見えない星より、この規則正しく並んだ誘導灯の方がよっぽど綺麗だと思った。
「天の川みたい」
君がポツリと呟く。
君の視線を辿ると、俺と同じ誘導灯がある。
いつもならこの突拍子の無い発言に追いつけないところだが、俺もたまたま誘導灯に注目していたので理解することができた。
緩やかに曲線を描く誘導灯。
確かに天の川に形容できる気がする。
君が儚げに少し笑って続ける。
「未来が全部光ってたらいいのに」
君の言いたいことがすごく分かる今日は、不思議な夜だと思った。
そんな君に俺は、励ましにもとれるような、でも果たして言うのが正しいのか分からないようなことを言うことにした。
「光ってるからと言って、いいとは限らない」
首を傾けてこちらを向いた君を見つめ返す。
「だって織姫と彦星は、この先の未来も光に隔てられてる」
そう言った俺に、君は少し寂しそうに優しく笑うだけだった。