Starry Night Magic


「ずっとずっと待ってたの。これは勝負だったの」



こんな時でも、いやこんな時だからこそかもしれない、君は君らしい例えをする。



「君に会う日は必死におしゃれして、少しでも素敵に見えるようにって。


君から告白してくれれば、もうたぶん一生海外に住むだろう私にそれを上回る価値を見出させることが出来たら、私の勝ちだと思ったから」



君がそんな風に思っていたなんて、これっぽっちも気付かなかった。

俺の横に並ぶにはもったいないくらいの美人だとは思っていたが。



とうとう勝った……!


君は俺の胸に顔を埋めて、噛みしめるように声にならない声でそう呟いた。

心の底から言葉が出ているのがひしひしと伝わった。


君は俺なんかより随分前から、俺のことを想っていてくれたらしい。





そこへもう一度場内アナウンスが流れる。


君の便の乗客は今すぐ手荷物検査場を通るようにと急かされている。


さっきのアナウンスから随分時間が経ってしまった。
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